鼻中隔矯正術

septoplasty

鼻中隔湾曲症とは

鼻中隔とは、鼻の左右を分けている壁のことで、上下に支えている薄い骨と間にある軟骨からできています。多少の曲がりは誰にでもありますが、鼻づまりの原因となったり、鼻水の流れが悪くなる要因になったりする場合、病気として扱います。鼻中隔矯正術は、鼻の入り口の外から見えないところを切開して、湾曲の原因となっている軟骨や骨の一部を除去することで、鼻中隔の曲がりを矯正する方法です。内視鏡を使用して行う場合には、内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型と呼ばれます。

手術の対象

  • 薬物療法の効果がなく、ひどい鼻づまりが続いている場合
  • 鼻中隔の湾曲によって生じた強い鼻づまりなどの症状が、日常生活に支障をきたしている場合

  • より効果的な鼻づまり改善のため、下鼻甲介手術を併用することが多いです。

手術法

  • 鼻の入口の粘膜を切開
  • 鼻の骨や軟骨から粘膜を剥がす
  • 鼻の上下の骨の一部と軟骨の湾曲の強い部分を除去
  • 切開部の粘膜を縫合
  • 両鼻にスポンジガーゼを詰めて終了

鼻中隔側面

合併症

一般的な出血や創部の感染、痛みなどに加えて、鼻中隔穿孔や鞍鼻などのリスクを伴います。

  • 鼻中隔穿孔
    左右の鼻の穴に交通する孔が生じてしまうことです。

    骨や軟骨を除去する際に粘膜が傷付く場合があります。自然に修復される場合が多いですが、血流が悪くそのまま脱落してしまい、孔が開いてしまいます。気流にはあまり影響しない場合が多いですが、呼吸する時に音がする、鼻がかみづらいなどの違和感を感じる方もいます。
  • 鞍鼻
    手術で軟骨や骨をとりすぎて、鼻が変形してしまうことです。

    以前は骨や軟骨を大きな範囲でとることがありましたが、現在は内視鏡で見ながら強く曲がった部分を中心に手術することができるため、起きる可能性は非常にまれです。鼻中隔の骨や軟骨がなくても周囲のアーチ状の骨や軟部組織があるため、強度はあまり術前と変わりません。数十年後には鼻の高さにわずかな差が出るという報告もあります。

術後の見通し・注意点

  • 術後当日は飲酒・入浴は禁止です。
  • 術後3日間、両鼻内にスポンジガーゼを留置するので、その間は口呼吸になります。4日目にガーゼを抜くと、鼻呼吸が可能になります。
  • 術後の仕事は、デスクワークであれば翌日から可能です。術後2週間程度は、汗をかくような肉体労働や運動を避けてください。

費用

手術自体は3割負担で約25,000円です。その他、処方箋代、診察代などがかかります。

実際には、鼻中隔矯正術を単独で行うケースはそう多くありません。鼻中隔が湾曲している場合は鼻の中が非対称になっているため、肥厚性鼻炎を併発している場合には、下鼻甲介手術を同時に行います。
また、副鼻腔炎を起こしている場合には、副鼻腔手術を同時に行うことがあります。 鼻詰まり症状が起こる原因はさまざまで、複数以上の原因が絡み合って症状を悪化させていることもあります。一度の手術で複数の原因を除去できる、また他の鼻の病気・症状のリスクを軽減できるという点では、手術を組み合わせることは選択肢の一つとして有効です。

診療時間
9:00〜12:00
14:30〜18:00

*休診日:水曜・日曜・祝日 / 土曜午後

TEL 0258-37-4111

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