下鼻甲介粘膜焼灼術

mucosalcautery

どのような治療?

鼻の一番手前にある下鼻甲介粘膜を焼灼し、アレルギー反応を起こしにくい粘膜に変性縮小させることで、鼻づまり・くしゃみ・鼻水の症状が軽くなります。文献によると、鼻づまりに対して約70%、鼻水に対して約60%、くしゃみに対して約50%の効果とされています。よって、特に鼻づまりに対しての効果が高い治療 です。 当院では、トリクロール酢酸という薬を使用し、実施しています。薬を下鼻甲介に塗ることで粘膜を焼灼します。 以下に、トリクロール酢酸治療の特徴を挙げてみます。よく知られた方法として、レーザーによる焼灼術(炭酸ガスレーザーで粘膜を焼灼する方法。当院では実施しておりません。)がありますので、そちらと比較してみます。

  • 治療効果は半年~1年程度(レーザーは半年~2年程度)※個人差があります
  • 費用が安い(レーザーに比べ2/3程度)
  • レーザーと違い、焼灼時にエアロゾル(煙)が出ないので、新型コロナ流行時にも安全に施行可能
  • 手術後の鼻水・鼻づまりは3~7日程度で軽度(レーザーは2週間程度つらい)
  • レーザーと違い、大きな機械を使用せず音もでないため、手術時の恐怖感が少ない

手術の対象

アレルギー性鼻炎で、特に鼻づまりの症状が強い方

手術法

外来で局所麻酔にて行います。全身に影響を与える薬(鎮静剤など)は用いませんので、日帰りでの手術が可能です。 まず、鼻の中に、麻酔液をしみこませたガーゼを入れて15分ほど待ち、鼻の粘膜の麻酔をします。トリクロール酢酸を綿棒に塗布して下鼻甲介に数回塗布して終了です。
術後約15分、院内でお休みいただき、強い痛みや出血などがないことを確認して帰宅となります。麻酔・施術・経過観察、全部合わせて30分~1時間程です。施術中は麻酔で痛みはあまり感じませんが、帰宅後に痛みが出る場合がありますので痛み止めの内服薬を処方します。

実施する時期

季節性アレルギー(花粉症)の場合、アレルギーが起きるシーズンより前に治療を終了しておいた方が治療効果は良いので、鼻の症状が極力ない時に施行するのが望ましいです。
たとえば、スギ花粉症の方は、花粉飛散時期を避け、8月~1月がお勧めです。通年性アレルギーの場合は、1年中症状がある事が多いですので、施行する時期はその都度判断させて頂きます。

合併症

  • 痛み術中は鼻の粘膜には麻酔が効いていますが、鈍い痛みを感じたり、熱を感じたりする場合があります。
  • 出血通常はほとんど出血しないものですが、手術中に出血がある場合、ゼラチンスポンジやガーゼなどを鼻に詰めて止血を行う場合があります。術後になって大量出血する場合はほとんどありませんが、量が多いときには病院に来ていただき止血処置を行う可能性があります。
  • その他一時的な鼻づまり、感染、違和感、外鼻孔部(鼻の入口)のやけど等の合併症があり得ます。

術後の見通し・注意点

  • 術後当日は強い鼻かみと飲酒は禁止です。入浴もできれば避けてください。
  • 術後1、2週間の間は、鼻の粘膜がやけどではれてしまったり、かさぶたが付着したりすることでかえって鼻づまりがひどくなることがあります。
  • 術後、粘膜のやけどが完治するまでの約2週間は、かさぶたがつきやすくなります。その間、多少の違和感を認める事があります。週1回程度の処置を行う場合があります。
  • 一度の手術で効果が不十分な方は2~4週間後に再度手術を受けられることをお勧めします。
  • 術後も薬物治療が必要になることがあります。

費用

手術自体は3割負担で約6,500円です。その他、処方箋代、診察代などがかかります。

診療時間
9:00〜12:00
14:30〜18:00

*休診日:水曜・日曜・祝日 / 土曜午後

TEL 0258-37-4111

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